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2012.02.22更新

                   日本経済新聞 2012年2月12日


 毎日何気なく磨いている歯。タイミングや道具の使い方など、その磨き方で本当に歯を大事にできているのだろうか。実は最近の研究で判明してきた新しい注意点もある。これからも長い間、自分の歯と付き合うために、専門医に歯磨きの最新の常識を聞いた。


 「冷たい水がしみて耐えられない」。痛みを訴えて来院した20代女性の口の中を見ると、まるで歯科器具で削ったかのような丸っこい奥歯があった。歯の表面のエナメル質が減り、中の象牙質が見えていた。

 聞いてみると女性はコーラ飲料が大好きで、しかも飲み込む前にいったん奥歯の近くにためるクセがあった。コーラ飲料はとても強い酸性。体の中で最も硬いとされるエナメル質も、酸性では軟らかくなり溶け出す。頻繁に強い酸性にさらされればすり減る。「食習慣と飲み方のクセで起きた『酸蝕歯(さんしょくし)』」と東京医科歯科大学の北迫勇一助教は説明する。

 虫歯、歯周病に続く第3の歯の病気として注目される酸蝕歯。欧米では20年前から対策がとられてきた。食生活の欧米化に伴い酸性の飲食物が増えた日本でも6人に1人は何らかの症状があるとされる。タイミングを間違えた毎日の歯磨きが歯のすり減りを加速させることも分かってきた。

 口の中が酸性になっても、唾液の力で中和されて溶けたエナメル質も復活する。ただし、30分ほど時間がかかる。食後すぐに歯をゴシゴシと磨くと軟らかくなったエナメル質を削り落としかねない。とはいえ、自分が食べた食事が酸性かどうか見分けるのは難しい。そこで「食後は歯磨きまで30分ほど置くのが安全策」(北迫助教)。

 体を思って毎日とる黒酢やかんきつ類、夏の熱中症予防に小まめに飲むスポーツ飲料など、酸性の飲食物は意外に多い。歯も気遣って口の中が酸性の時間はできるだけ短くしたい。ダラダラ飲食を控える、酸性と分かっている飲み物はストローで飲む、飲食後は水やお茶で口の中を軽くすすぐ、といった予防策がある。

 歯を磨くタイミングだけではなく、回数についても常識は変わりつつある。よく「毎食後すぐに3分間」といわれたが、「なんとなく3回磨くよりも1日1回、特に寝る前に口の中から徹底的に汚れを出すことが大事」と鶴見大学の桃井保子教授は強調する。


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練馬区・杉並区の歯医者さん「さきやま歯科クリニック」 院長 崎山 悠介

投稿者: さきやま歯科クリニック

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