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2012.06.12更新

〜 nikkei BP net 2005年03月22日 〜


 歯周病にかかっている妊婦が出産すると、早産になって低体重児となるリスクが高まることが、日本人を対象にした疫学調査で分かった。これは、今年2月に東京で行われたライオン主催の健康セミナーで、北海道医療大学歯学部教授の古市保志氏が報告したもの。

 ここ10年の研究で、歯周病が動脈硬化や糖尿病などの生活習慣病や全身疾患と関係が深いことが分かってきた。妊婦の歯周病と早産・低体重児の関係も、世界各国で研究が進められている。


 歯周病が早産を誘発するメカニズムは次のように考えられている。口の中に歯周病菌が増え、免疫のバランスが崩れると、免疫を担当する細胞から血中に「サイトカイン」という情報伝達物質が出される。このサイトカインが過剰に出ると炎症が起き、歯肉や歯骨などの組織を破壊する酵素が出やすくなり、歯周病が進む。

 ところが妊婦の体内では、血中サイトカイン濃度は出産のゴーサインとみなされるという。サイトカイン濃度が高まると、妊婦の子宮筋を収縮させる"スイッチ"が入ると考えられている。

 妊婦が歯周病の場合、正期産以前(妊娠37週未満)に血中サイトカイン濃度が高まるため、子宮筋を収縮させるスイッチが間違って入ってしまい、十分に成長していない状態で赤ちゃんを産む早産につながるという。

 古市教授が正常妊娠の48人と、37週未満に分娩兆候の見られる切迫早産の状態にあった妊婦40人を対象に出産状況を調べたところ、正常妊娠・正期産の人に比べて、切迫早産で早産・低体重児を産んだ妊婦の歯周病菌の数は約4.5倍、血清中のサイトカイン量は約14倍多かった。

 「歯ぐきの状態やサイトカインの多さと、妊娠期間の長さには明らかに相関関係があった。チリでは、妊娠9〜21週までの400人の妊婦を対象にした臨床試験が行われ、歯周病治療をした群は、治療しなかった群に比べて早産・低体重児の発現率が約5分の1に減ったという報告がある。まだ日本人では同様の研究報告はないが、妊婦は早めに歯周病などをチェックしてほしい。妊娠後でも歯周病を治療すれば、低体重児出産のリスクを減らせるだろう」と古市教授は話していた。

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練馬区・杉並区の歯医者さん「さきやま歯科クリニック」 院長 崎山 悠介

投稿者: さきやま歯科クリニック

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