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2012.06.24更新

~ 朝日新聞2012年05月08日~


 「ちゃんと歯みがきしているから大丈夫」なんて、自分の歯について安心していませんか。実は、健康志向の人にも歯のトラブルが増えているそうです。どういうことなのでしょう。

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 定年後、ジョギングを始めた男性(62)は奥歯の痛みを訴えて受診。歯に小さなへこみがいくつもあり、表面のエナメル質に覆われているはずの象牙質が見えてしまっていた。聞くと、走ったあとに「体によいから」と黒酢を飲み続けてきたという。

 「この症状は虫歯とは違い、酸蝕歯(さんしょくし)というものです」と、東京医科歯科大の北迫勇一助教。「大人の患者には特徴があって、健康志向が強くて、まじめなタイプの人が多い」

 虫歯は、いわゆる虫歯菌が糖分を分解し酸をつくって歯をとかす。一方、酸蝕歯は食べ物や飲み物の酸が直接、歯をとかす。肌のシミ対策にビタミンCをとろうと、グレープフルーツを毎日いくつも食べていた60代の女性は、歯の先が透けるほど薄くなってしまったそうだ。

 酸性やアルカリ性を示すpHは7が中性。7より小さくなるほど酸性、大きくなるほどアルカリ性が強い。

 北迫さんらが市販の飲料120種のpHを調べたところ、黒酢飲料、スポーツドリンク、乳酸飲料、オレンジジュースなどは酸性でpH3~4くらい。歯のエナメル質がとけるとされるpH5.5より軒並み酸性が強かった。

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 日本歯科総合研究機構の石井拓男研究部長は「酸性のものを飲むこと自体が悪いわけではない。ダラダラと飲んで、歯が酸にさらされる時間が異常に長くなるのがよくないのです」。糖分が含まれていれば虫歯のリスクも高まる。

 毎日の食事でも口の中は酸性になるが、通常は唾液(だえき)が中和し、とけたエナメル質を修復する「再石灰化」が起こるため、歯の健康は保たれる。しかし、酸性のペットボトル飲料などを四六時中チビチビ飲んでいると修復が間に合わない。

 対策としては、飲んだあとには水やお茶で口をすすぐこと。口の中にため込むように飲むクセがないかも見直そう。よくかんで食べ、唾液の出をよくするのも大切だ。

 北迫さんと石井さんが強く勧めるのは、フッ素入りの歯みがき剤だ。フッ素は再石灰化を促し、歯を丈夫にする。ライオンの調べによると、市販の歯みがき剤の9割はフッ素入り。成分を確認して使おう。

 歯の健康は、体全体の健康を左右する。厚生労働省の05年の歯科疾患実態調査では、80~84歳で歯が20本以上残っている人が初めて2割を超えた。

 石井さんは「歯が残るのは非常によいことだが、一方でその歯の健康をどう守っていくのか。口の中のケアに関心をもってほしい」と話している。(内山美木)

◆インフォメーション

 厚労省の調査では、虫歯になったことのある子ども(5~9歳)は1987年には4割を超えていたが、05年には約15%に減った。一方、大人は9割以上が虫歯を経験。治療した歯は再発リスクが高いし、年をとると唾液も減る。「大人の虫歯」も油断できない。石井さんは「『歯のかかりつけ医』をつくって定期的に診てもらってほしい」。


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練馬区・杉並区の歯医者さん「さきやま歯科クリニック」 院長 崎山 悠介

投稿者: さきやま歯科クリニック

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