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2014.12.24更新

                  ~ 北海道新聞 ~
 歯と歯茎の間にたまった歯垢(しこう)で増殖した細菌によって炎症が起きるのが歯周病だ。口内に限定した病気のイメージが強いが、糖尿病のほか動脈硬化、肺炎など多くの病気との関連性が高いことが分かってきた。専門家は「歯周病は全身に影響を及ぼす感染症」と注意を呼び掛ける。(塚本博隆)

動脈硬化促進、認知症発症も

 まず注意したいのが動脈硬化だ。コレステロールが主要因とされてきた動脈硬化だが、北海道医療大学病院(札幌市北区)の辻昌宏院長(内科)によると、歯周病などの炎症によって産出するC反応性タンパク(CRP)という物質も動脈硬化を促進すると分かってきた。

 辻院長は「研究によると、歯周病を治療することでCRPの値が半分まで低下します」と歯周病治療の重要性を説明する。

 認知症の発症にも深く関わる。動脈硬化が脳血管でも進行して脳血管性認知症を引き起こす。また歯周病が進行すると歯を失うため、「かむことによる脳への刺激が減って、認知症が速く進みます」と辻院長は指摘する。

 高齢者はのみ込む機能が衰えているため、歯周病菌を含んだ唾液が誤って気管を通って肺に入り炎症を起こす誤嚥(ごえん)性肺炎の原因にもなる。

子宮、胎盤に感染 早産の危険

 妊婦にも影響する。歯周病菌が子宮や胎盤に感染すると、炎症によって出る物質が子宮を収縮させるなどの影響を及ぼして早産となり、低体重児出産の危険性が高まる。

 歯周病は以前から糖尿病の主な合併症として知られていたが、逆に歯周病を患うと糖尿病を進行させることも分かってきた。歯周病によって産出された物質が、血糖値を下げるインスリンの働きを妨げるためだ。

 歯周病の予防策について、豊水歯科(札幌市中央区)の井谷秀朗院長は「感染症なので細菌をゼロにすればいい。しかし口内の細菌をゼロにするのは不可能なので細菌を減らすしかありません」と説明する。歯周病菌が繁殖する歯垢を、歯磨きで地道に取り除くしかない。

 回数は「食べかすが歯周病菌の餌になるので、できれば毎食後が望ましい」。また若いときからの習慣化も大切だ。歯磨きを怠っていても、若いと抵抗力があるので歯周病になりにくいが、年を重ねると抵抗力が落ちて歯周病が急激に進む場合もあるという。

 歯垢が固まった歯石も歯周病菌が繁殖するので除去が大切だ。ただし、歯石を自分で取り除く人もいるというが、「歯茎を傷つけて逆に悪化させる可能性もあります。自身で取ることは避けてください」と注意する。

 また歯と歯の間などのように、歯磨きだけでは汚れが落ちにくい部分もあるため、井谷院長は「歯科で定期的にクリーニングや歯石除去してもらうことを勧めます」と話す。


https://www.sakiyama-dc.jp/

 練馬区・杉並区の歯医者さん「さきやま歯科クリニック」 院長 崎山 悠介

投稿者: さきやま歯科クリニック

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